三次元GISによる臨場感あふれる景観表示

エデュマップ3Dは、三次元的な地図を情報表現の基本として利用しています。これにより、郷土の地理的特徴あるいは、街並みや自然の様子をあるがままに表現できるため、児童生徒にわかりやすいだけでなく、学習に求められる強い興味を自発的に持ってもらうことができるようになります。

エデュマップ3Dは、世界でも最高レベルの三次元GISエンジンを核に構築されているため、数百キロ平米に及ぶ大規模な三次元地図であっても軽快に表示することができます。

地域学習の取りまとめ

従来の地域学習では、大きな模造紙で白地図を作成し、その白地図上に児童生徒が調査した成果を書き込んでいました。

エデュマップ3Dを利用すると、従来の白地図に書き込むのと同様に、三次元地図の任意の場所に調査結果を書き込むことができます。調査結果が書き込まれた場所には、その表題がプラカードのように表示されます。また、その表示に近づくと、記録されているマルチメディア情報がポップアップして表示されます。

模造紙の白地図をエデュマップ3Dに置き換えるだけで、これまで白地図を利用して実施されていた教科・単元の授業を、特別な指導案を新たに整備することなく、パソコンを活用した授業に自然に移行させることができます。

情報の分類表示

情報の分類(レイヤー)機能を利用して、エデュマップ3Dに記録された多様な情報の中から、興味を持つ特定の情報を選択的に表示させることができます。この機能を利用することにより、教科・単元、情報入力者、情報入力年度といった属性に基づく記録情報の分類表示が可能です。これにより、例えば「2003年に◎◎小学校の四年生の○○という単元で入力された情報」といったような指定により、着目する情報だけを選択的に表示することができます。

多彩な教科・単元での活用

エデュマップ3Dは、驚くほど多様な教科単元で利用することができます。社会科はもちろんのこと、理科、国語、音楽などの様々な個別教科で利用可能です。さらに、複合的な教育を行う総合学習の時間では、エデュマップ3Dの統合的な情報記録機能や表現能力を活用することにより、非常に効果的な教材として活用することができます。

家庭や地域での学習成果の参照

エデュマップ3D上で取りまとめられた学習成果は、インターネットを経由して家庭で見ることができます。家族は、学校で行われている教育内容をエデュマップ3D上で参照したり、親子の団欒時の話題として利用することができます。

また、地域学習に協力した地域の皆さんにも、インターネットを経由して学習成果をフィードバックできるため、今までにはなかった地域ぐるみでの教育を推進できます。

マルチメディア表現

エデュマップ3Dでは、文字、写真、画像、動画、三次元モデルなどの多彩なマルチメディア情報を、三次元地図の任意の場所に対して、登録・表示することができます。三次元モデルとしては、あらかじめ用意されたものや、自分自身でCGソフトで作成したものを利用できます。これらの機能を活用して、児童生徒が楽しみながら、地域学習の成果をわかり易くまた魅力的に取りまとめることができます。

地域学習教材の作成

エデュマップ3Dを利用することにより、教師や地域の博物館は、マルチメディア情報を活用した魅力的な地域学習教材を作成することができます。このような教材には、児童生徒が強い興味を抱き、これまで以上に積極的に学習するため、郷土に対する理解や愛着を深められるようになります。

また、教育委員会は、副教材として配布していた地域学習用の小冊子等を、エデュマップ3Dを活用して提供することができます。

協働学習

エデュマップ3Dに入力された情報は、サーバーに保存された上で、他の利用者のエデュマップ3D上にも反映されます。このため、特に意識することなく、エデュマップ3Dをクラス内や学内でのグループ学習の実施基盤として利用することができます。

また、サーバーを共用する自治体内では、学校間で情報を共有することができます。この機能を利用して、複数の学校で共通のテーマを設定し、学校間で調査地域(基本的に校区単位)を分担し、児童生徒の社会性を育みながら学習を進めていく協働学習の強力なプラットホームとして利用できます。

利用と共に成長する教材

パソコン用の一般的な教材は、導入した時点では最新のものであっても、時間と共に陳腐化していき、最終的には利用できなくなります。

エデュマップ3Dには、毎年繰り返し行われる教育の過程で、児童生徒・教師・教育委員会・博物館などによって継続的に情報が入力され、教材が蓄積・洗練されていきます。エデュマップ3Dは、利用と共に成長する教材を提供します。

デジタルアーカイブ

児童生徒によりエデュマップ3Dに記録される情報は、子供たちの目を通して整理された、その時々のその地域の様子を記録したデジタルアーカイブとなり、地域の文化資産を形成していきます。

地域情報発信への展開

エデュマップ3Dは、教育支援システムとしてだけではなく、最先端の地域情報システムとして活用することができます。この場合、独立した地域情報システムとして利用することも可能ですが、教育支援システムと共用で運用することにより、地域のホットな情報が学校により日々更新されるため、より魅力的な地域情報システムにすることができます。

低コスト

エデュマップ3D用の航空写真や地形データの整備を教育委員会だけで実施しようとすると、一般的に多額の費用が必要となります。しかしながら、市役所や役場の他の部署で業務に利用されている既整備の航空写真や地形データを活用することにより、費用を低く抑えることができます。

また、エデュマップ3Dのライセンスは、学校単位のサイトライセンスとして提供されます。このライセンスにより、費用の増大を気にせずに、エデュマップ3Dを学内のすべてのパソコンに導入して活用することができます。

サーバーによる情報の共有

エデュマップ3Dのシステムは、児童生徒や教師が各自のパソコンで利用する表示・操作用プログラム(クライアント)と、情報の記録・配信用プログラム(サーバー)から構成されます。クライアントによって入力された情報は、教育委員会などに設置されたサーバーにより一元管理され、利用者間や学校間で情報を共有することができます。

セキュリティ

エデュマップ3Dは、教育分野での利用に配慮し、システムに記録された情報の管理(セキュリティ)機能が完備されています。

ログイン名とパスワードによる利用者制限、利用場所(端末のIPアドレス等)による利用制限、利用者の所属や立場による情報の入力・参照制限機能などを装備しています。また、利用者単位や所属単位の利用履歴の管理機能を持っており、必要に応じて、利用状況の調査や監査を行うことができます。さらに、入力禁止文字列を検出・除外する機能などを装備しています。

これらのセキュリティ機能により、エデュマップ3Dは教育支援システムとして、安心してご利用いただくことができます。

エデュマップ・プロジェクト

エデュマップ3Dはエデュマップ・プロジェクトの実践により得られた知見を基に、エデュマップを発展させた教育システムです。エデュマップ・プロジェクトは、初等・中等教育を対象とし、GISを活用した教育支援プロジェクトで、九州工業大学の硴崎研究室が中心となって実施されています。エデュマップ・プロジェクトは、コンピュータ教育開発センターの助成を得て、2000年度に開始されました。